2006年 08月 24日
遺訓 1 |
政府にあって国の政治を論じ、政令を実行することは天地自然の道を行なう事であるから、いささかでも、私心を出してはならない。だから、どんな事があっても心を公平にして、正しい道を踏み、広く賢明な人を選んで、その職務に忠実に実行出来る人に政権を執らせる事こそ天意である。だから本当に賢明で適任だと認める人がいたら、すぐにでも自分の職を譲る程でなくてはならない。従ってどんなに国に功績があっても、その職務に不適任な人を官職に就ける事は良くない事の第一である。官職というものはその人をよく選んで授けるべきで、功績のある人には、俸給を多く与えて奨励するのが良いと南洲翁が申されるので、それでは尚書(中国の最も古い経典、書経仲虺(ちゅうき)(殷(いん)の湯王(ゆおう)の賢相(けんそう))の誥(こう)(朝廷が下す辞令書の中に「徳の高いものには官位を与え、功績の多いものには褒賞を多くする」というのがありますが、この意味でしょうかと尋ねたところ、南洲翁は大変に喜ばれて、まったくその通りだと答えられた。
by keiten_aijin
| 2006-08-24 16:38
| 西郷隆盛の精神・遺訓